数年前から,燃料電池(業務用,家庭用,モバイル機器用など)が注目されている.経済産業省の2001年の発表では,2020年における国内の燃料電池市場は8兆円と予測している.18世紀に熱機関の登場がきっかけとなって産業革命が起きたように,大きな革命が訪れるような気配がする.燃料電池の仕組みはいたってシンプルだ.必要なものは,2枚の電極(負極と正極)と,それらにはさまれた電解質(イオン(原子や分子が電極を帯びたもの)は通すけど,電子は通さない物質).一方の電極(負極)に燃料である水素ガス(H2)を送ると,負極に含まれる白金(プラチナ)が触媒(化学反応の速度を高めるがそれ自体は変化しない物質)としてはたらき,水素原子から電子をはぎとる.ここでできる水素イオン(H+)は電解質を通るけど,電子は取り残される.ここでもう一方の電極(正極)に酸素ガス(O2)を送り込む.すると,正極に含まれる白金(プラチナ)が触媒としてはらたくことによって,酸素原子と電解質を通ってきた水素イオンが結合し,水(H2O)がつくられる.ただし,この反応には電子が必要になる.いま,この時点では負極では電子が取り残され,正極では電子を必用としている.ここで負極と正極を導線でつなぐと,導線を迂回として電子が流れる.つまり電気が流れることになる.これが燃料電池の発電の原理だ.この原理は,乾電池も同じ.乾電池の場合は,閉じ込められた酸化剤などの材料がつきれば電気の発生が終わるけれど,燃料電池は外から材料を送り続ける限り電気を発生し続ける.これは電池というより発電装置と捉えられるだろう(ちなみに,水素は海水を利用すれば取出しが可能).車に搭載できる程の継続したパワーを出力できるようになるまでには,小型化や量産化による部品のコスト抑制など,まだまだ課題があるけれど,2050年ごろには,国内の総発電量の半分を燃料電池が占める「水素エネルギー社会」が到来するかもしれない.
水素を液体にすると,ガソリンと同じ体積でほぼ同程度の距離,車を走らせることが理論上可能らしい.でも,水素ってマイナス253度Cという超低温にしないとなんないんだって@@お金かかりそう^^;
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