2007年12月4日火曜日

Beyond limit

現在,光通信では情報伝達がなされる場合,ルータと呼ばれる中継器で宛先の交通整理が行われている.その仕組みは,光信号を一旦電子信号に変換して宛先に送信するわけだけれど,この方法では毎秒100ギガビットが限界だとみられている.だが,光信号を変換しないで直接送信できるとしたら,その結果はどうなるのだろう.奈良先端科学技術大学大学院の川口教授らの研究グループは,光信号を電気信号に変えることなく処理する新しい技術を開発したらしい.川口教授らは,特殊な面発光半導体レーザーを作り出すことで,90度の偏光の向きで発光しているレーザーに,それと垂直な0度の光を当てると発光する光が0度に変わる性質(これは偏光双安定性と呼ばれる)を発見した.通信の信号は,0と1を使った2進数で表現されていて,偏光の向きの0度と90度がそれに対応する.開発された面発光半導体レーザーの中では,半導体が鏡の役割を果たし,その角度を変更することにより光信号の入力,メモリ,出力を原子レベルですべて担うものだという.そして,高速処理が可能な上,消費電力が少ない.このような技術が発展すると,通信速度はギガ,テラを超えて,ペタビットという世界に突入する.
実用化までには,集積回路の設計方法などの課題は存在するものの,映画などの動画を瞬時に転送できることが可能になる.

おそらく,数年後には携帯端末で映画を気軽に鑑賞できる環境になるだろう.

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